心臓を鼓動させたまま移植患者の元へ! 最新移植方法で第一号患者の手術成功!
脳死などで亡くなったドナー患者の臓器を、問題を抱えた患者に移植をする臓器移植が、普及してしばらく経つが、この度イギリスで画期的な移植手術が成功した。
その最新の移植方法とは、心臓を冷却輸送することなく、動かしたままの状態でドナーから移植患者の元へ輸送するというもの。
その移植手術を世界で初めて受けた患者は、リー・ホール(Lee Hall)26歳。
彼は、白血病の治療で化学療法を子供の時に受けたのだが、それが原因で深刻な心不全を患ってしまったのである。
その後、リーは心臓の左心室に機能を補助する人工心臓を取り付けて、一時的に命を取り留めていた。しかし、最近になってリーの健康状態は悪化、今年初めには緊急の移植リストに登録されていたのだ。
従来の方法では、ドナーから取り出した心臓は冷却保持され、4時間以内に移植をする必要があった。
しかし、この4時間というタイムリミットが非常にネックになっていた。ドナーの死亡から4時間以内に心臓が適合する移植患者の元まで届け、移植手術をするとなると、時間的な猶予は限りなく短く、緊急的な状況ではほぼ不可能だったのである。
しかし、今回の最新の方法を用いると、心臓をボックス内に保持し、鼓動させたままの状態で輸送することが可能であるため、移植手術までの時間が従来の2倍の8時間まで引き伸ばすことができるのである。
こちらが、ボックス内で鼓動する心臓の映像
動画:youtubeより『The world’s first living organ transplant in action』
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こうして輸送された心臓の移植を受けたリーの手術は無事成功。人工心臓という機械によって、なんとか命をつなぎとめられていたリーは、健康な心臓を手に入れ、家族との生活を取り戻すことができたのである。
via:dailymail(英語)