ハワイの科学者たちが、地球温暖化に耐える「スーパー・サンゴ」品種改良へ
2016/10/31
地球温暖化による環境変動で、日本が亜熱帯化しているなど、深刻な問題として近年取り上げられているが、その影響は海にも出ている。特に問題視されているのが、サンゴの死滅問題。
地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を吸収するサンゴが、地球温暖化による海水の温度上昇などで死滅しているのだ。これによって、二酸化炭素の吸収がおこなわれなくなり、温暖化に拍車をかけるとまで言われている。
そんな中、ハワイの研究者たちが、地球温暖化にも耐える「スーパー・サンゴ」の品種改良を進めている。
研究チームはハワイのココナッツ島周辺の海に潜ってサンゴの収集をおこなっている。この海域のサンゴは、海水温の上昇や海水の酸性化によって60~80%ものサンゴが白化して死滅している深刻な場所である。
だが、そんな環境でも生存しているサンゴは、地球温暖化にも耐えられる素質を持った強いサンゴということでもあるのだ。
研究者は、採取した生命力の強いサンゴを、より強力な遺伝子を持つ株に品種改良すべく、「スーパー・サンゴ」の繁殖プロジェクトを進めているのである。
しかしながら、サンゴの成長速度は非常に遅いため、このままの速度で地球温暖化が進んでしまうと、サンゴの死滅に間に合わないと懸念している。
海洋生物ハワイ研究所の研究者でこのプロジェクトを進めている研究者の一人、ルース・ゲイツ(Ruth Gates)は「珊瑚礁の消滅は、地球環境に打撃を与えるだけでなく、観光資源の消滅でもあります。そのため、経済にも大きな影響を与えます。」と警告している。
via:dailymail(英語)