ウイルス研究所が動物実験に使ったチンパンジーを残して放棄した島「猿の島」
動物実験をおこなっていたウイルス研究所が、実験に使用していたチンパンジーを残して放棄した6つの小さな島がある。
その島は、ニューヨーク血液センター(NYBC)が、1974年に西アフリカのリベリア共和国の首都モンロビアから約20マイル(約32キロ)に位置する、6つの小島に「リベリアウイルステストラボ」を設立した。
そして、捕獲してきた野生のチンパンジーを実験動物として、このウイルス研究所で飼育を開始したのだ。
施設では、ウイルスの研究にあたり、「肝炎」や寄生虫が原因の「河川盲目症」に人為的に感染させ、ワクチン開発の研究材料にしたのである。
施設では、実験動物であるチンパンジーの永続的な世話を約束されていたにもかかわらず、研究者らは2005年に施設を放棄、今年の3月には完全に資金カットをしてしまったのである。
その結果、66匹のチンパンジーがこれ等に島に取り残されてしまったのである。島には植物から多少の食料が獲れるが、その量はあまりにもわずかであった。またチンパンジーは完全に人間に依存しており、自身でエサをとることも満足にできない状態だったのである。
これ等の6つの島は「猿の島」と呼ばれており、現在アメリカのチャリティ動物愛護協会(HSUS)が猿の世話をしているが、その費用は毎月380万円にもなるそうで、寄付を募集している。
人間によって捕えられ、実験のためウィルスに感染。そして捨てられたにも関わらず、彼らは人間に頼るしか生きるすべがない。動物実験の闇の部分である。
via:dailymail(英語)