死んだネズミの腕を生き返らすことに成功! 移植すれば問題なく動かせる!!
完全に細胞が機能停止した腕や足を、実験室で再生させて、移植することに成功したと、イギリスの科学雑誌ニューサイエンティストが報じた。
これは、死んだ体の部位を再生させた世界初の偉業である。
その実験は、アメリカのマサチューセッツ総合病院の実験室でおこなわれ、この方法で再生された手足は「biolimb(バイオ手足)」と名付けられた。
まず死んだラットから腕を切断し、細胞が完全に機能停止したのを確認後、その腕を実験室の専用のアームに取り付け、腕の血管と筋肉細胞に栄養液と酸素の注入を続ける。すると細胞が新たに作られ、わずか2~3週間で再生させることに成功したのである。
そして、その腕を他のラットに移植をしたところ、すぐに血液が通り、動かすことが出来るようになったというのである。
研究員のハラルド・オット(Harald Ott)博士は「今回の実験ではラットの前足が使われたが、四肢であれば同じように再生させることが出来る」と言う。
「既に、他人の手足を外科手術で移植することは現代医学で可能だが、ドナーの問題や、以前のように思うように動かすことが難しい点、また拒絶反応を防ぐために常に免疫抑制薬が必要となるなどデメリットが多い」
「実験は死んだネズミから採取した腕でおこなわれたが、もちろん本体が生きていれば、再生させた自分の腕を自分自身に取り付けることができる。今回のbiolimbであれば、事故や戦争でちぎれ、時間が経過したり、一部が損傷してしまった自分の手足を取り付けることが出来る。そしてそのような場合、免疫抑制薬はいらない」と主張する。
現在、オット博士は、このような手足を数十個を作成しており、すでにヒヒの腕にとりつける実験を開始しているという。
ips細胞など再生医療の進歩は著しいが、こちらもまだ実用段階とまでは言えず、また費用や時間が大きな課題でもある。もしこの「biolimb」技術が実用されれば、再生医療の選択肢の一つが増えることになるかもしれない。
via:dailymail(英語)