パンチ1発200円 白血病の息子の治療費のために人間サンドバックになった父
白血病になった息子の治療費を賄うために、苦渋の選択をせまられた父親は、人間サンドバックになることを決めた。
中国のシア・ジャン(Xia Jun)の息子ハオハオ(Haohao)は、2013年に白血病と診断された。しかし、その治療のためには、白血病治療の高額な医療費だけでなく、住まいのある四川省・南充市から高度な医療設備のある北京での滞在費など、多額の費用が必要であり、ジャンの収入ではとても払える金額ではなかった。
しかし、そうは言っても、ただの募金で息子の医療費を集めることは、金額面でも時間の面でも難しかった。
そこで、ジャンが苦肉の策で考えたのが、「人間サンドバック」。いわゆる「殴られ屋」だ。
自分を殴るかわりに、パンチ一発10元(約200円)の募金をお願いしたのである。
去年の6月から、彼は地下鉄の駅前に立ち、息子の治療費を集めた。その結果、彼の姿は多くの人間から同情を集め、民衆や団体からの寄付が瞬く間に集まって80万元(1600万円)を集めることに成功した。
これで、息子の命が助かると思ったのもつかの間、無情にも息子のガンは腸へ転移していたのである。
そして、これ以上の治療は難しいとの判断が下され、余命1カ月と宣告をされてしまったのだ。
現在、その息子と父親のジャンは、自宅で残された時間を穏やかに過ごしている。
ジャンは取材に対し、「息子の残された時間に、私は全力で向き合います」「このような結果になると分かっていたならば、すぐにでも仕事を退職して息子との時間をもっとつくっていたでしょう」「私たちのために募金をしてくれた人々の親切を決して忘れません」と語った。
息子に対する父親の深い愛情に感動するが、残念な結果になってしまったのが心苦しい。
via:dailymail(英語)