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ヒップホップで火事を消火!? 学生が音で火を消すサウンド消火器を開発!

      2015/12/02

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アメリカ・バージニア州のジョージ·メイソン大学の学生が、音で火を消す装置を開発した。

開発したのは、工学部に所属するセス・ロバートソン(Seth Robertson)23歳と、ヴェト・トラン(Viet Tran)28歳の二人。

サウンド消火器

まるで、これからゴーストをバスターしに行くかのような二人

 

その消火の仕組みはというと、圧力波の音を使って、炎から酸素を除去し、鎮火させるのだという。

消火に使う音は、低周波ノイズが有効とのことで、二人はヒップホップの強音がそれにあたると説明している。

彼らは、様々な音域での消火実験をおこなった。その中で最も消火に効果があったのが30~60ヘルツの音だったという。2万30,000ヘルツなどの人間には聞こえないような超高域でも実験したが、効果は得られなかった。(ちなみに普通の人間が聞き取れる音域は20~20000ヘルツ)

動画:youtubeより『Pump Up the Bass to Douse a Blaze: Mason Students’ Invention Fights Fires』


サウンド消火器

サウンド消火器を火に近づけ・・・

サウンド消火器

音を発射!

サウンド消火器

そして無事に鎮火!

装置は肩から下げて持ち運べるようになっており。重量は約20ポンド(約9キロ)。

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二人の自費の600ドル(約7万円)で、このプロトタイプを制作した。

 

彼らによると、「この方法なら、消火剤などに含まれる有毒な化学物質が無いどころか、水濡れによる機器や建物への損傷も起きない。」とし、「大規模な森林火災などの際に、ドローン(無人飛行機)に搭載して消火にあたることができれば、環境への負荷をあたえずに、迅速な消火をおこなえるかもしれない」と語っている。

 

メリーランド州の大学で、防火エンジニアリング部門の臨床教授を勤めるケネス·E·イズマン(Kenneth E. Isman)は、「規模の問題が重要」であるとしている。「実験では、鍋にアルコールを入れて、それに火をつけたものを消していたが、住宅における火事や大規模な火災時にも有効かどうか確認する必要がある」と語った。

 

参照:dailymail(英語)washington post(英語)

 

今後、この装置が普及するかどうかは分からないが、消火器のように一度使ったら終わりということもなければ、建物内のスプリンクラーの代わりがつとまるのならば、火災時に水浸しになる心配もない。

少しの間サウンド消火器から発せられる騒音に耐えるだけでよいとしたら、とても良いアイディアだと思う。
耐えられる範囲内の音量であればの話だが・・・

 

しかし動画を見る限り、それほど大きい音は出ていないようなので、近いうちに本当に消火器にとって代わるかもしれない。

 

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