4日間で6万頭の絶滅危惧種サイガが死亡 その原因は本来無害のはずの細菌!?
今年、1ヶ月というわずかな期間に20万頭ものサイガが大量死をした。
サイガとは、ウシ科の動物で大きな鼻が特徴的な絶滅危惧種である。その大きな鼻から、別名オオハナレイヨウとも呼ばれる。
サイガは、主にカザフスタンに生息しているのだが、今年5月ごろをピークに謎の大量死が相次いで発生したのである。これまでに死亡したとされる20万頭という数字は全世界に生息するサイガの80%ともいわれる。
ピーク時には4日間で6万頭が死亡しており、その原因解明が急がれていたのだが、科学者らによってある細菌を原因とする報告がなされたのである。その細菌は「パスツレラ菌」。
このパスツレラ菌は、イエネコのほぼ100%、犬の75%が口の中に持っている常在菌で、本来無害なはずの細菌である。しかし、希にパスツレラ症という深刻な症状を発症することがあるのだ。
今回、大量死したサイガからは、臓器からの大量出血が確認されており、詳しい調査の結果、細菌から排出された毒素が腸内に溜まり、出血性敗血症を発症して死亡したことが明らかになったのである。
しかし、身の回りに無数に存在するパスツレラ菌が、なぜ今回に限って猛威を振るったのかについては依然として謎のままだという。
一説には、カザフスタンで季節はずれの長雨が降ったため、サイガの免疫力が落ち、今回の大量死に至ったともされる。
真相は依然として、はっきりとは解明されておらず、今回の現象はサイガに起きたことだが、ほかの動物や人間にまで猛威を振るう可能性もないとは言い切れない。
果たして真相は明らかになるのだろうか。
via:dailymail(英語)