わが子を亡くした寂しさか? ヒョウの子どもを育てる野生ライオンが目撃される
タンザニアで世界初となる親子が目撃された。その親子とは百獣の王ライオンとヒョウの親子。
この地にやってきた旅行者が偶然撮影し、専門家もこのような事例は初めてだと驚いている。
メスライオンとヒョウの親子
その親子が目撃されたのは、タンザニアのセレンゲティ。この地にあるヌトゥー・サファリ・ロッジに宿泊したゲストがロッジから少し離れた場所で目撃。カメラに収めた。
このライオンは5歳のメス、ノシキトク(Nosikitok)。そして、そばにいるのは生後2~3週と思わるヒョウの子どもだ。
メスのライオンが他のライオンの子どもを育てることは過去にも事例があったが、今回の様に種類が異なるヒョウの子どもを育てたという事例は過去に例がないという。このメスライオン、ノシキトクは首に位置情報を知らせるデバイスが取り付けられているが、れっきとした野生のライオンである。
母性をつかさどるホルモンが原因か
この奇妙な親子について、動物学会のサラ・ドゥラント(Sarah Durant)はメディアの取材に、こう答えている。「これは非常に珍しいことです。なぜこのような親子関係が構築されたかは分かりませんが、メスライオンの母性本能が強く影響していると思われます。」
実際、このメスライオン、ノシキトクには5月27日~28日の間に生まれたとされる3頭の子どもがいた。しかし、現在一緒にいないことを考えると何かしらの理由で亡くなってしまった可能性が高いと思われる。ロッジのマネージャー、アインズリー・ウィルソン(Ainslie Wilson)も「詳しいことは分かりませんが、彼女の子は死んでしまった可能性が高い」と語っている。
ライオンは獰猛な肉食動物である。通常ならか弱いヒョウの子どもがいれば、殺して食べてしまうことだろう。しかし、ノシキトクはヒョウの子どもをわが子のように育てることを選択したのだ。
自分の子を亡くしたばかりの時期に、ヒョウの子どもと出会い。母性が湧いたのだろうか。それはノシキトクにしかわからない。そして、この2頭の親子関係がいつまで続くのかは、神のみぞ知ることだろう。
猫の保護団体のルーク・ハンター(Leke Hunter)は、「今回のような事例は過去に聞いたことがありません。そして、今後2頭の関係がどう展開するか、非常に興味深い。」と語っている。
via : dailymail