危険を感じたらウロコを脱ぎ捨てる! 新種のヤモリ「ゲコレピス・メガレピス」
先週2月7日、オンラインの学術誌「PeerJ」にて新種のヤモリに関する論文が発表された。なんとそのヤモリは、身の危険を感じると自分のウロコを脱ぎ捨てるという。
ウロコを脱ぎ捨てる新種のヤモリ「ゲコレピス・メガレピス」
そのヤモリが発見されたのはアフリカ大陸から南東に400キロ。インド洋上のマダガスカル島だ。論文の著者フランク・グラウ(Frank Glaw)によると、そのヤモリの大きさはマッチ箱ほどの大きさで、危険を感じるとウロコをベロリとはがす修正を持っているというのだ。
その習性から、その新種のヤモリには同種属を示すウロコヤモリ属のゲコレピス(Geckolepis)とラテン語で「大きなウロコ」を示すメガレピス(megalepis)を合わせた「ゲコレピス・メガレピス(Geckolepis megalepis)」という学名がつけられた。
こちらは普段のゲコレピス・メガレピス。
そして、危険を感じ、ウロコを脱ぎ捨てた状態のゲコレピス・メガレピス。
ウロコは数週間で再生する
ウロコが剝がれるとなると、通常のヤモリなら皮膚に多大なダメージを負う。しかし、今回発見された新種のヤモリの場合は違う。
ウロコの根元から、ズルリとウロコをはがす「テアー・ゾーン(tear zone)」と呼ばれる皮膚層があり、出血や傷を負うことなくウロコを脱ぎ捨てることができるのだ。さらに脱ぎ捨てたウロコは再生が可能で、数週間後には元通りのウロコが生えてくるというから驚きである。また、再生途中の個体が確認されていないことから、ウロコが再生するまでの間は、岩陰などに身を潜めているものとみられている。
今回新種と発表されたゲコレピス・メガレピスだが、最初の発見は実は2004年だという。その時は、アンカラナ国立公園の石灰岩の岩が広がる地帯で発見されているのだが外見の似た既知のウロコヤモリと判断され、新種を見逃されたのだ。今回、フランク・グラウらによってCTスキャンなど詳細な分析が行われた結果、新種であることが判明したそう。
via:peerj.com(英語)