フィリピンの深刻なゴミ問題 ゴミの浮かぶ川で泳ぐ子どもたち
2015/07/05
近年、下水処理や人々の意識変化によって、日本の川が綺麗になり、魚や生物が川に戻ってきたと言われているが、世界では現在も深刻な汚染に悩まされている国が数多く存在する。さらに、そんな環境と付き合いながら生活をしなければならない貧しい人々がいるのである。
今回は、今そんなゴミ問題に直面しているフィリピンの人々の生活を紹介する。
下記画像。ゴミが無数に浮いた汚い川で、子供たちが水遊びをしているように見える。しかし、彼らは決して遊んでいるのではない。水面に浮いたゴミの中から売ることができる再利用可能なゴミを探しているのだ。
フィリピンの首都マニラの北西部に位置するナボタスは、貧困層の集まるスラム街がある。ここに住む彼らの主な収入源はゴミ拾い。子供から大人まで、皆が競うように売れるゴミを探しているのだ。
再利用可能なプラスチックや金属、紙、ガラスが、お金に換わるのである。こうしたゴミは地元のジャンクショップが買取り、中国南部の大規模なリサイクル工場に運ばれる。
ユニセフの発表によると、こうした人々が一日に得る収入は、50ペソ(約130円)ほどであるという。平均賃金の低いフィリピンにおいても、その金額は非常に僅かなものである。そのため、小さな子供も重要な労働力になっている。
また、フィリピンの深刻なゴミ問題は川だけではない。
フィリピンの多くのゴミ処理場は、開放投棄(オープンダンプ)という方式をとっている。文字通り、ゴミを処理せずに投棄しているだけなのだ。市街から集めたゴミをそのままゴミ捨て場に積み重ねていくのである。
そこでも、多くの貧困層の人々が、ゴミを集めている。
ユニセフなどは、人々が肺炎や下痢、結核など、命にかかわる深刻な状態にあると警告している。しかし、生きるために自らゴミの中で生活をしている人々を解決するには、その根本となる貧困問題の解決が必要である。
via:dailymail(英語)