オレゴン州の海岸に100トンのシロナガスクジラ! エルニーニョ現象が原因か
オレゴン州南部のゴールドビーチ近くの海岸に、地球最大の生物シロナガスクジラが打ち上げられた。
海岸に打ち上げられた時点で既に死後2週間が経過しており、その大きさは推定78フィート(約23.8メートル)、重量は100トン以上という巨大なものだった。
シロナガスクジラが死亡した原因はエルニーニョ現象?
シロナガスクジラは全世界にわずか5000頭しかいない希少な生物である。
そんなシロナガスクジラが死亡して今回漂着した原因について、研究者らは今年深刻な状況にあるエルニーニョ現象が関係していると主張している。
オレゴン州公園レクリエーション局の専門家カルム・スティーブンソン(Calum Stevenson)は「今回海岸に漂着したシロナガスクジラは皮下脂肪の層が4インチ(約10センチ)以下でした。健康なシロナガスクジラは12インチ(約30センチ)ほどの皮下脂肪を持っていますから、痩せて衰弱していたものと思われます。」「この衰弱したシロナガスクジラを、サメやシャチなどの大型の捕食動物が襲って死亡した可能性があります。」
「シロナガスクジラが衰弱した原因としてエルニーニョ現象による海水温の上昇が考えられます。海水温が上がったことによって、シロナガスクジラの食料であるオキアミなどの小型の甲殻類が減ったのです。特にカリフォルニア沖は壊滅的な影響を受けています。そのため、クジラは満足な食料を確保できず痩せてしまったと思われます。」
エルニーニョ現象とは?
アメリカ海洋大気局(NOAA)の報告によると、2015年のエルニーニョ現象は過去最大のものになる可能性が高いと発表している。
エルニーニョ現象とは赤道周辺の海水温が平年よりも高くなる現象で、その状態は一年ほど続く。2015年のエルニーニョ現象は2016年の初旬まで続くと見られており、海水温が上がることにより海流や気候にまで影響を与え、世界的な気候異常を引き起こすのである。
今回漂着したシロナガスクジラは骨格標本にされる予定
今回海岸に漂着したシロナガスクジラは、オレゴン州立大学海洋哺乳類研究所の骨格標本にする予定だそうで、現在肉や内臓などの除去作業がおこなわれている。
死後、時間が経過していることもあり、現地はひどい悪臭につつまれているそうだが、その状況は作業が終わるまでしばらくの間続くという。
via:dailymail(英語)