鹿せんべいはもう飽きた! シカが人間の遺体を食べる瞬間が初めて撮影される
おとなしい草食動物というイメージが強いシカ。奈良公園では多くのシカたちが観光客から鹿せんべいを与えられバリバリと食べているが、このたびアメリカの法医学者によってシカが人骨をバリバリと齧る瞬間が撮影された。
人骨を齧るシカ
その決定的瞬間は、殺人事件などで人間の遺体が森に投棄された場合、どの程度の期間で朽ち果てるかなどを調べる観察実験中に目撃された。その内容はテキサス州立大学の法医学者によって科学ジャーナル誌で発表されている。
なんでも、ダニエル・J・ウェスコット(Daniel J Wescott)率いる研究チームが、森林地帯に人間の遺体を設置し、自然界に存在する掃除屋と言われる生物によって、どのような経過を経て遺体が変化するのか観察していたんだそう。掃除屋とは死体を食べて分解する生物のことで、大型の肉食動物やウジ、その他微生物などのことである。
研究チームは森に無人カメラを設置し、遺体を食べにくるキツネやコヨーテを観察していた。しかし、遺体設置から190日後、誰もが予想だにしない訪問者がやってきたのだ。そう、草食動物として知られているシカである。
この光景が目撃されたのはアメリカ・テキサス州の森林地帯。シカは白尾シカ(White-tailed deer)という種類のシカ。設置から190日という日数が経ち、白骨化した遺体。その遺骨をバリバリと齧っていたのだ。
シカが人骨を食べた理由は、不足栄養素の確保
シカが人骨を食べた理由について、普段摂取している植物からでは摂ることのできないカルシウムやナトリウム、その他ミネラルなどの不足した栄養素を摂ろうとしての行動と言われている。
こうした現象は冬の間に起こりやすいらしく、今回のシカが撮影されたのも1月の寒い時期だった。
研究者は「人間の骨を食べるシカをとらえた最初の証拠です」と語っている。しかし、シカが肉を食べることが確認されたのは、実は今回が初めてではない。過去に死んだ魚やウサギを食べているシカが観察されているのだ。
奈良公園のシカたちも鹿せんべいに飽きたら、次は何を食べようとするのだろうか・・・。
via:dailymail