今日で長崎原爆から70年 爆心地から1.8キロで被ばくした谷口稜曄さん
2015/08/11
今日で長崎の原爆投下から70年が経つ。
年月とともに、戦争経験者の方々も高齢化しており、「戦争」と聞いても教科書に載っている歴史的事象としかとらえられなくなった世代が今後増えていくのではないだろうが。
しかし、国のために戦い、犠牲となった人々を決して風化させてはならない。
今回紹介紹介するのは、イギリスのタブロイド紙デイリーメールが報じた長崎の原爆を生き延びた日本人、谷口稜曄(たにぐち すみてる)さん。
1945年8月9日に、アメリカはプルトニウム型の原子爆弾「ファットマン」を長崎に投下した(その3日前の8月6日には、広島に濃縮ウラン型の原子爆弾「リトルボーイ」が投下されている)。
その当時、16歳だった谷口さんは、自転車を使って郵便配達をしている最中だった。そこに原爆が投下されたのだ。
谷口さんがいたのは、爆心地からわずか1.8キロという距離。周囲の人々は原爆による衝撃波と熱で皆亡くなっていたそうだが、幸運にも谷口さんは命を取り留めた。
しかし、背中や腕の皮膚は、熱で溶けて垂れ下がり、肉や骨がむき出しの状態だったという。
激痛に耐えながら、谷口さんはその日、雨水を飲んで過ごし、その後の2日間山中をさまよったという。3日目ようやく救助隊に救助された谷口さんだったが、その状態は生きているのが不思議なほどであったという。
それから、1年9か月にわたって、うつ伏せの状態で過ごすことになる。その後、奇跡的に回復した谷口さんだったが、放射能被ばくや、後遺症に現在も苦しんでいる。
谷口さんは、その原爆によって被害を受けた自身の体験をもとに、核兵器根絶のための活動をしている。
日本人として、この惨劇を繰り返してはならない。
via:dailymail(英語)