幼くして死亡した双子は人形として生きる! 知られざるブードゥー教の世界!
死者を蘇らせるゾンビパウダーや黒魔術などの不気味なイメージが強いブードゥー教。一般的にハイチの信仰宗教と思われがちだが、その起源は西アフリカにあり、現地では現在も強く信仰されている宗教である。
こちらは以前記事にしたブードゥー教の黒魔術マーケット(過去記事:『世界最大の黒魔術マーケット!? トーゴ共和国のブードゥー教市場がすごい!!』)
しかし、閉鎖的な部分もあって、謎に包まれている宗教でもある。
そんなブードゥー教を、フランスの写真家エリック・ラフォーグ(Eric Lafforgue)が現地に赴き取材をした。
エリックが取材で訪れたのは西アフリカのベナン共和国。彼は現地で不思議なことに気が付く。それは、人形を大事そうに身に付ける人々。その人形は食事の世話から入浴、就寝、学校など人間の子どもと同じように扱われていたのである。
多くの場合、人形は2つで1セットとなっている。
なぜなら、これらの人形は幼くして亡くなってしまった双子の子どもを意味しているからだ。
この地域のブードゥー教では、双子は特別な存在とされている。そして、双子が亡くなってしまった際には、人形に魂が移ると考えられているのである。そのため、双子の子どもを亡くしてしまった親は、その人形を生きていた時と同じように大切に育てるのだ。
もし、人形の世話をおろそかにした場合には、家族に災いが訪れるとも信じられている。
全世界の双子のうち約40パーセントが、アフリカで生まれているとされている。そのアフリカの中でもベナン共和国は、特に双子の出生率が高く、出産20件のうち1件は双子だという。
しかし、人々は決して裕福とは言えず、医療設備も整っていないため、多くは小児疾患やマラリアなどで亡くなってしまう。
双子の魂が宿った人形は生きていると考えられており、食事の世話はもちろんのこと、入浴、綺麗なベッドでの睡眠といった世話がされる。
家族が、仕事などで世話をすることができない場合には、専用の保育園のような施設があり、そこに一時的に預けられる。保育園では村の村長が人形たちの世話を親に代わっておこなうのだ。
ブードゥー教は、儀式のために死んだ犯罪者の頭蓋骨を集めたりと不気味な一面を持つ一方で、命を大切にする側面も持っている。日本人が、お供え物を亡くなったご先祖に供えるのと通ずる部分がある。
via:dailymail(英語)