哀愁が漂う 朽ちた自動車のある風景 13選
人の足となり、富の象徴ともなった自動車達。
人間の知識と技術を集結して作られた車も、年月を経て自然は土へ還そうとする。
そんな哀愁漂う「車の墓地」を撮影する写真家がいる。ドイツの写真家ディーター·クライン(Dieter Klein)だ。
今回は、そんな彼が世界中を旅して写真におさめた「車の墓地」を紹介する。
塗装がはげ、むき出しとなった金属は、赤茶色に錆びる。まるで、夕日の色で赤く染まっているようだ。
多くの人間の役に立ったのであろうこの車も、最後はひっそりと孤独に朽ちていく。
何台も積み重なるようにして放棄された車。下の車は重さに耐えきれずつぶれる。年月と共にコケや水が溜まり、いっそうその重みを増していく。
木々の間からこぼれる木漏れ日。長年働いた車をねぎらい、天へ迎え入れるかのように差し込む光。
綺麗に並べられた廃車の車たち。写真から伝わる重々しさは霧のせいだけではない。
毎年、木から散る落ち葉が、土となって、次第に車たちをのみ込んでいく。
コケや塵に覆われ、金属であるということを忘れ、周囲の景色に同化していく車たち。
車を囲うように伸びる木々と、時の流れからから取り残されたかのような車。
これらの車の中には、仮に修理(レストア)をして復元させることが出来れば、クラシックカーとして高い価格で取引をされるだろう高級車も含まれる。
写真につけられたコメントは、筆者が画像から感じたものなので、見る者によって違った印象を受けるかもしれない。
撮影したクラインは、2009年からこれらの「車の墓」シリーズを撮り始めた。彼は、写真を掲載したサイトの一つであるViralNovaに対して、「私は、クルマ自体への興味というよりも、この異様な光景に心を打たれ、夢中になった」と語っている。
確かに、車という人工物と、それをのみ込もうとしている自然の両者が、融合をしているようで不思議な気持ちにさせられる。
ピカピカにワックスがけをされた車ではなく、コケに覆われたシトロエンや錆びたジャガーにカメラを向ける彼は、廃墟マニアの方と通じるものがあるのだろう。
via:mirror(英語)
また、彼の作品にご興味のある方は、彼のwebサイトへ『dkfoto』