オランウータンが肉食化!? リスを食べるボルネオ島のオランウータン
2016/10/31
ボルネオ島でリスを食べるオランウータンが撮影された。
オランウータンは主に果物を食べるているが、時々シロアリなどの虫も食べる草食傾向の強い雑食性の動物である。過去には小型の哺乳類を捕食している姿が確認されたことはあるが、その事例は極めて珍しかった。
ケンブリッジ大学の霊長類研究者であるベン・バックリー(Ben Buckley)は、「2003年からボルネオ島のサバンガウ国立公園のオランウータンを調査しているが、肉を食べている姿を見たのは今回が初めてです。」と語る。
リスを食べていたオランウータンはオスで、強いオスのしるしであるフリンジ(顔の両側のでっぱり)を持った個体だった。
オランウータンはリスの肉、骨、皮膚を食べ、その後内蔵だけを放り投げて捨てたという。
リス食べた終えたあとは、通常通り葉を食べ始めたそう。
ベンは「リスを食べるオランウータンが目撃された森は、オランウータンの主食となる果物が十分ではない場所です。もしかすると新たな食料源を試していた可能性があります。」と語る。
また、「オランウータンの肉食は、これまで考えられていたよりも、はるかに一般的なものである可能性があります。これは、私たち人間の祖先が肉を食べ始めたきっかけを解明するヒントかもしれません。」とも語った。
現在、森林伐採などでオランウータンの生息域が減っている。今後も更にそれが進むと、当然オランウータンのエサとなる果物の不足が深刻下していくだろう。そうなるとオランウータンの肉食化がさらに進む可能性が考えられる。
via:dailymail(英語)