男が女として生まれる村! 遺伝的原因で思春期までペニスが生えない子どもたち
ドミニカ共和国に、男の子が女の子として生まれてくる不思議な村が存在する。
その村は、ドミニカ共和国のサリナスという村。この村で誕生する子どもの約2パーセントが、不思議な症状を持って生まれるというのだ。それは「12年後のペニス(Guavadoces)」と呼ばれる現象。
その症状を持つ子どもは、男の子であるにも関わらずペニスが生えていない女の子のような状態で生まれてくるのだ。そして、思春期になったころ、ペニスが生えてきて男性になるというのである。
この不思議な村は、1970年に初めて発見された。女の子が思春期に男の子に性転換する村があるとの噂を聞いて調査をおこなったアメリカ・コーネル大学の内分泌学者ジュリアン・インプラート(Julianne Imperato)によって発表されたのだ。
ジュリアンの研究によると、「この不思議な現象は、子宮の中でジヒドロテストステロンの不足が原因となって発生している」という。ジヒドロテストステロンとは男性の精力などに必要なホルモン物質だ。
「通常、男の子の胎児は女の子と変わらない形で成長し、妊娠8週目ごろから、ペニスなどの男性器が形成される。」
「これは、テストステロンというホルモンを、還元酵素の5αリダクテーゼ(5-AR)という物質がジヒドロテストステロンに変換し、このジヒドロテストステロンによって男性の特徴が作られるのだが、還元酵素の5αリダクテーゼ(5-AR)が不足しているためにジヒドロテストステロンが作られず、本来なら男の子であるにも関わらず性器が作られないまま誕生してしまう」というのである。
「しかし、思春期を迎え、それぞれの性別に急成長する時期に、やっと男性器が形成される。そのため「12年後のペニス」という現象が発生する」というのだ。
この村ではそのような現象が、2パーセントという高確率で誕生することから、地域特有の遺伝的な原因であるとされている。
「12年後のペニス」で生まれたジョニー(Johnny)という24歳の住民は、生まれた当初は彼の両親によってフェリシティ(Felicity)という名前で女の子として育てられたという。
ジョニーは「私はスカートをはいて学校に行っていましたが、女の子の洋服を着るのは嫌でした。また、女の子用のおもちゃを買い与えられていましたが、本当は男の子のように遊びたかった」と語る。
ジョニーの場合は7歳の時にペニスが生えてきて男性となったそうで、今が本当に幸せですとも語った。