野生は残り50羽! 更にウイルス流行で絶滅待ったなしのアカハラワカバインコ
自然界に残り50羽となった絶滅寸前の鳥が、更なる危機に瀕している。
その鳥は、オーストラリア・タスマニア島南西部に生息するアカハラワカバインコ(学名:Neophema chrysogaster)。英名は「Orange-bellied parrot」で意味は「オレンジ色のお腹をしたインコ」。その名前のとおり、腹部がオレンジ色の美しい鳥である。
だが、このアカハラワカバインコ。野生化に生息する数はわずか50羽で、非常に危機的な状況に瀕している。
さらに、「PBFD( オウム類嘴羽毛病)」という感染症の流行により、野生の個体は数年間のうちに絶滅してしまう可能性があるというだ。「PBFD( オウム類嘴羽毛病)」というのはウィルスによる感染症の疾患で、これに感染するとクチバシや羽等の細胞増殖が阻害される。するとクチバシや羽の奇形や壊死をひきおこし、最終的に衰弱して命を落とす進行性の恐ろしい病気なのだ。
現在、オーストラリア政府も対策にあたっており、オーストラリアの環境大臣グレッグ・ハントが早急な調査と緊急的な対応を促している。
これに対し、研究者のハウウェル・ウィリアムズ(Howel Williams)は、「PBFD( オウム類嘴羽毛病)」が餌箱や巣箱を共有することによって、他のオウムやインコからアカハラワカバインコに感染している可能性があると主張している。今後のウイルス感染拡大を防ぐためには、野鳥のために設置された餌箱や巣箱を新しいものに交換する必要があると訴えている。
しかし、既に野生の個体が残り50羽ほどとなってしまったアカハラワカバインコが、自然界において個体数を増やすには手遅れな状態にあるとして、保護をされて飼育下にある345羽の繁殖プログラムが、進められている。
via:dailymail(英語)