悪魔の聖書! 悪魔が書いたとされる中世最大の本 ギガス写本!!
ギガス写本とは、中世の写本(聖書をうつし書いたもの)としては、現存する最大の本である。
縦92センチ、横50センチと巨大な本で、厚さだけで22センチもある。重量も74キロあるため、大人二人がかりでなければ運ぶことはできない。
素材は羊皮紙だが、羊ではなく子牛の皮によって作られているとされる。その本の巨大さゆえ約160頭分以上の皮が使用されているとみられる。
しかし、歴史家を驚かせるのは、その大きさだけではない。
聖書にも関わらず、恐ろしい悪魔のカラーイラストが描かれているのだ。
現在そのギガス写本は、ストックホルムのスウェーデン国立図書館内に収容されており、別名「悪魔の聖書」と呼ばれている。
伝説によると、誓いをやぶり監禁されたある修道僧が、免罪を得るために、修道院に一晩で本を写本することを約束したのだ。しかし、一晩で写本を全て終わらせることは時間的にも難しく、修行僧は深夜になったころ、これが不可能であることを悟り絶望した。そして、その修行僧はこともあろうに、悪魔であるルシファー(魔王サタンのこと)を呼び出し、自分の魂と引き換えに本を完成させる契約をしたというのである。
その願いに応じルシファーは本を完成させた。そして、その契約に応じた、ルシファーに感謝の意をこめて、修行僧は悪魔のイラストを描いたという。
ナショナルジオグラフィックによると、写本は13世紀初頭(1200年代初頭)に書かれたもので、筆跡鑑定をおこなった筆跡鑑定士のマイケル·ガリック(Michael Gullick)は一人の筆跡で全ての原稿が書かれていると主張したという。また、写本にはヘルマン・インクルシス(hermann inclusis)という一人の署名だけが書かれている。しかし、これだけの写本を一人だけで書こうとすると、ノンストップで作業を続けたとしても5年はかかる計算だというのだ。
本当に悪魔ルシファーが手伝ったのか、それとも長い年月をかけて完成させたものなのか、解明されていない多くの謎が残っている本。それがギガス写本なのだ。
via:dailymail(英語)