5年間壁の中に閉じ込められていた猫と、その命をつないだおじさん
このたび、5年にもわたり、地下鉄の壁の中に閉じ込められていた猫が、自由になることが出来たと、エジプトのカイロポストが報じた。
その猫が閉じ込められていたのは、エジプト・カイロのモハメドナギブ地下鉄駅の壁の中。
その猫は、どうやらまだ子猫だった2010年に隙間から壁のなかに潜り込み、そのまま出られなくなってしまったようなのだ。
しかし、壁の中にはエサはもちろんのこと飲み水もない。
では、なぜその猫が5年間も壁の中で生きることが出来たのかというと、ある男性の手助けがあったのだ。
それがこちらの、アブド(abdo)おじさん。
当時、地下鉄のそばでメガネ店を営んでいたアブドさんは、猫に毎日エサと水を5年間与え続けたのである。
猫にはバイオス(BISO)と名前が付けられた。
しかし壁の隙間は非常に狭く、猫のバイオスは顔を出すことはできない。
どのようにしてエサを与えるかというと、手渡しをするのだ。
こちらはその様子の動画
動画:youtubeより『«قطة» محبوسة داخل جدران مترو محمد نجيب منذ 5 سنوات』
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こちらが動画のキャプチャ
とても器用にエサを受け取る猫のバイオス。水も手を濡らすようにしてとっていた。
このようにして、5年間毎日欠かさずにエサを与えていたというのだ。
エジプトは2011年にエジプト革命が起きた。その混乱により、アブドさんのメガネ店は廃業したが、その後も欠かさずに地下鉄に赴き、バイオスにエサを与えていたという。
しかし、このことが話題になりフェイスブック上でこの壁に閉じ込められていた猫の救出を求めるキャンペーンが発足。
そのキャンペーンの影響により、ついに先月3月13日に壁が外され、救出作業がおこなわれた。
壁の中の隙間は15センチほどと狭く、酷い悪臭だったとのこと。
壁が取り外され、自由になったバイオスだが、残念なことに光や人間に驚いて、そのまま逃げだしてしまったとのこと。
バイオスの唯一の画像が右の写真だ。
逃走したバイオスがどこへ行ったかは残念ながら分かっていない。
しかし、5年間バイオスにエサを与え続けた、アブドさんは、今もバイオスを探しに地下鉄へ足を運んでいるという。
参照:The Cairo post(英語)、dailymail(英語)