わずか生後35日で出荷! 英BBCが放送したケンタッキーのニワトリ工場
昨日3月17日にイギリスのBBCテレビにてケンタッキーフライドチキン(以下KFC)の養鶏場の様子がドキュメンタリー番組で放送された。
KFCでは1000に及ぶ養鶏業者から毎年2300万羽のニワトリがKFCへ出荷されている。
ニワトリはわずか生後35日で成鶏へ成長し、その命を落とすのである。
通常であればそのサイズまで4カ月ほどかかるが、品種改良や飼料により、35日という短期間での出荷が可能となっているのである。その急激な成長に耐えられず、3割ほどのニワトリに歩行困難などの症状が出るとの報告もある。
動画:『BBCドキュメントのトレーラー』
イギリスでは毎分400ピースのチキンが買われているという。そのために毎年23000万のニワトリが出荷されているのだ。
番組では34000羽のニワトリが養鶏されている養鶏場の様子が放送された。
ニワトリたちは、大きな窓がない鶏舎で過密状態で飼育されている。
番組では、その養鶏場の農夫に、インタビューがおこなわれた。
農夫は「ニワトリたちは既定の大きさに成長するまで、水や餌に不自由しない。いい人生を送っている」と語ったという。
敷かれたおがくずの上には排せつ物が覆いかぶさっている点に話が及ぶと、おがくずにより乾燥した状態がキープされるため問題ないとのこと。
また、動物の権利を訴える活動家が、KFCの広報に「排泄物と大きな窓がないためアンモニア臭で満たされた小屋の中で、わずかな期間しか生きられない彼らの生活はあまりにも酷いものだ」と、その現状についてKFCの広報に訴えたところ
KFCの広報は、「ニワトリの健康的な生育は高品質の食品の条件には必須条件であり、十分に気をつけている。第三者の監査も受けており、イギリスとEUの要件もみたしている」と回答した。
35日間で成長したニワトリはガスで殺され、9つのパーツに切断された後、全国の店舗に送られという。
イギリス・EUでは、ニワトリの過密飼育に対して最大密度を設けるなど、アニマルウェルフェア(動物福祉)の規則があるが、そのガイドラインはあまりにも緩く機能していないと訴える声があがっている。
出典:dailymail(http://www.dailymail.co.uk/news/article-2999689/The-35-day-life-KFC-chicken-shed-34-000-birds-Documentary-reveals-conditions-23-million-birds-fast-food-chain-uses-year-kept-in.html)
先日アメリカのマクドナルドがニワトリに使用している抗生物質の階的に中止すると発表をした。
KFCの親会社である米ヤム・ブランズは、KFCでの抗生物質の使用の有無について現状公表していないが、2013年中国で過剰の抗生物質が検出され問題になった。今後、食の安全や食用目的で育成される動物達の権利を訴える声は、今後高まりを見せることは間違いないだろう。
参考:ロイター(http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0M90D620150313)